プリント基板にコネクタを使いたいと思って、一度はハンダ付けやペンチでなんとかできんものかと考えたことのある人は多いと思います。確かに一部のコネクタは苦労すればなんとかなるかもしれませんが、それはそれで結構な手間。素直に圧着工具を使って自作すると、早くやっときゃ良かった…となります。
コネクタを使えば、見た目もスッキリしますし、配線の引き回しや組み立て分解も簡単になりますからね~。
例えば、リード線を直にハンダ付けして配線する方法では、配線長に余裕を持たせておかないとハンダゴテを当てられなかったりしますよね。コネクタを使うと、そんな無駄をなくして最短距離で配線できるメリットもあります。
このページでは、コネクタの自作派を応援します。
コネクタの構造
コネクタは、ポストとハウジング、そしてコンタクトピンで構成されています。
ハウジング(中)
コネクタのメス側。
コンタクトピン(右)
ケーブルに圧着してハウジングに差し込む。
メス側のコネクタピンです。
コネクタの圧着端子は、コンタクトピンとも呼ばれています。
また、コネクタとハウジングの違いが分からないという人も多いようですが、両者に違いがあるわけではないく、ハウジングはコネクタのメス側ということになりますね。
これらのパーツは別々に売られているので、それぞれ買い揃えてコネクタを自作します。(販売店によってはセットにして販売している場合もあります)
コネクタの種類
当方では、主に小型で入手性の良い日圧(日本圧着端子製造株式会社(JST))のコネクタを使っていますが、もちろん他のメーカーのコネクタでも自作できます。
同じ品種でも、形状や表面実装などのラインアップがありますが、以下では代表的で入手性の良いものを紹介しています。
シリーズ | ピッチ | 容量 | 接触抵抗 | 配線の太さ | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
ZH | 1.5mm | 50V 1A | ≦20mΩ | AWG32~26 | だいぶ小型 |
PH | 2.0mm | 100V 2A | ≦10mΩ | AWG32~24 | 小型 |
PA | 2.0mm | 250V 3A | ≦10mΩ | AWG28~22 | 普通・強ロック |
EH | 2.5mm | 250V 3A | ≦10mΩ | AWG32~22 | やや小型 |
XH | 2.5mm | 250V 3A | ≦10mΩ | AWG30~22 | 普通 |
NH | 2.5mm | 250V 3A | ≦15mΩ | AWG30~22 | やや大・強ロック |
VH | 3.96mm | 250V 10A | ≦10mΩ | AWG22~16 | 大型 |
小型になるほど細い配線しか接続できず大電流には向きません。挿抜もやりにくくなりますが、なんといっても場所を取らないのがメリットです。
逆に大型になるほどより太い配線にすることができ、より多くの電流を流すことができます。耐圧や耐久性も高くて挿抜も楽ですが、かさばって広いスペースを必要とします。
※ちなみに、日圧のコンタクトの型番頭文字は本来’S’ですが、バラ売りを意味する’B’で売ってい場合もあります。
写真は、バラ売りとそうでないものの違い。
連結した状態のものは装填用ですが、電子工作ではニッパで切り取って使います。
ZHコネクタ
1.5mmピッチの小型コネクタで、max.50V 1AまでOK。特に小型化したい場合に重宝します。
基板の厚さは1.6tだけでなく1.0tでもフィットするように、ポストのピンの長さには2種類のラインナップがあります。
横型(特に2~4の少ピンもの)は少々弱くてグラグラしますので、挿抜頻度が高い用途では注意が必要です。
トップ型 | B2B-ZR-3.4 ~ B13B-ZR-3.4 | 2~13ピン |
---|---|---|
サイド型 | S2B-ZR-3.4 ~ S13B-ZR-3.4 | 2~13ピン |
ハウジング | ZHR-2 ~ ZHR-13 | 2~13ピン |
コンタクト | BZH-002T-P0.5 | AWG28~26用 |
コンタクト | BZH-003T-P0.5 | AWG32~28用 |
PHコネクタ
2mmピッチの小型コネクタで、max.100V 2AまでOK。基板を小型化できるので当方でも良く使っています。
ただし、2.54mmピッチのユニバーサル基板には使えません。また、横型(特に2~4の少ピンもの)は少々弱くてグラグラしますので、挿抜頻度が高い用途では注意が必要です。
トップ型 | B2B-PH-K-S ~ B16B-PH-K-S | 2~16ピン |
---|---|---|
サイド型 | S2B-PH-K-S ~ S16B-PH-K-S | 2~16ピン |
ハウジング | PHR-2 ~ PHR-16 | 2~16ピン |
コンタクト | BPH-002T-P0.5S | AWG30~24用 |
PAコネクタ
2mmピッチのコネクタで、max.250V 2AまでOK。
強いロック機構が付いているのが特徴で、振動環境に強いコネクタといえます。PHに比べると、少し大きくて高さがあるため場所を取りますが、その代わり挿抜はしやすいです。
中継接続用などの形状もラインナップされています。
トップ型 | B02B-PASK ~ B16B-PASK | 2~16ピン |
---|---|---|
サイド型 | S02B-PASK-2 ~ S16B-PASK-2 | 2~16ピン |
ハウジング | PAP-02V-S ~ PAP-16V-S | 2~16ピン |
コンタクト | SPHD-001T-P0.5 | AWG26~22用 |
コンタクト | SPHD-002T-P0.5 | AWG28~24用 |
EHコネクタ
2.5mmピッチの汎用コネクタで、max.250V 3AまでOK。
大きさ的にはPHコネクタより大きく、次のXHコネクタより小さいです。ユニバーサル基板にも刺さるし、汎用的に使えるコネクタです。
トップ型 | B2B-EH ~ B15B-EH | 2~15ピン |
---|---|---|
サイド型 | S2B-EH ~ S15B-EH | 2~15ピン |
ハウジング | EHR-2 ~ EHR-15 | 2~15ピン |
コンタクト | BEH-001T-P0.6 | AWG30~22用 |
XHコネクタ
2.5mmピッチの汎用コネクタで、max.250V 3AまでOK。
EHコネクタと容量やピッチは同じですが、やや大きめのサイズとなっているため、挿抜のしやすさではこちらが有利です。ユニバーサル基板にも刺さるし、汎用的に使えるコネクタです。
トップ型 | B2B-XH-A ~ B20B-XH-A | 2~20ピン |
---|---|---|
横型ポスト | S2B-XH-A ~ S16B-XH-A | 2~16ピン |
ハウジング | XHP-2 ~ XHP-20 | 2~20ピン |
コンタクト | BXH-001T-P0.6 | AWG28~22用 |
NHコネクタ
2.5mmピッチの汎用コネクタで、max.250V 3AまでOK。
XHやEHとは容量やピッチは同じですが、それらより大きめのサイズとなっていて、より頑丈なロック機構となっています。
また、少々ラフな形状になっているので、挿入時のこじりが少なく扱いやすいのも特徴です。
トップ型 | B2P-SHF-1AA ~ B25P-SHF-1AA | 2~25ピン |
---|---|---|
サイド型 | BS2P-SHF-1AA ~ BS25P-SHF-1AA | 2~25ピン ※欠番有り |
ボトム型 | BE2P-SHF-1AA ~ BE15P-SHF-1AA | 2~15ピン |
ハウジング | H2P-SHF-AA ~ H25P-SHF-AA | 2~25ピン |
コンタクト | SHF-001T-0.8BS | AWG28~22用 |
コンタクト | SHF-002T-0.8BS | AWG30~28用 |
VHコネクタ
3.96mmピッチの中型コネクタで、max.250V 10AまでOK。サイズが大きいぶん容量も大きいので、電源やオーディオ出力などに利用できます。
トップ型 | B2P-VH ~ B10P-VH | 2~10ピン |
---|---|---|
サイド型 | B2PS-VH ~ B10PS-VH | 2~10ピン |
ハウジング | VHR-2N ~ VHR-10N | 2~10ピン |
コンタクト | BVH-21T-P1.1 | AWG22~18用 |
コンタクト | BVH-41T-P1.1 | AWG20~16用 |
QI(2550)コネクタ
古くからある汎用コネクタで、一般にmax.250V 3Aまでとされています。2.54mmピッチなのでユニバーサル基板OK。
パソコンの内部配線に使われていることもあり広く知られるコネクタで、電子工作でも良く使われています。
ただ、サイズがやや大きいので小型化には不向き。また、抜けやすいので振動や力の加わる環境では避けた方が良いんですが、逆に簡単に抜き差したい用途では便利です。
このコネクタのポスト(オス側)は、ピンヘッダと呼ばれる汎用ピンを使います。また、メス側のコネクタもあるので、対基板用途だけでなく空中結線にも使えます。
データシート(ハウジング)
データシート(縦型ピンヘッダ)
データシート(L型ピンヘッダ)
※データシートは標準的な仕様ですが、QIコネクタやピンヘッダには多くの品種やメーカーがあり、サイズなどが微妙に異なります。
コネクタケーブル
電子工作に使うリード線って、あまり気にしていない人も多いことと思います。私も昔は色や耐熱性しか見ておらず太さなんて適当でした。あまり困るこもなかったし。
でもコネクタを自作するとなると、コネクタのサイズに適合するリード線のサイズがありますし、圧着工具のダイスのサイズにも関わりますので、ある程度は知っておく必要があります。
ケーブルの導体サイズを表す主な規格として、AWG(UL規格)とSQ(JIS規格)があります。電子工作の世界ではAWGの方が馴染みがあるかも知れません。この他に、無規格のケーブルもあります。
AWG | 直径 (mm) | 抵抗 (Ω/m) | SQ換算 | 主な用途(感触) |
---|---|---|---|---|
20 | 0.8118 | 0.033 | 0.5 | 電源(結構太い) |
22 | 0.6438 | 0.053 | 0.3 | 出力 |
24 | 0.5106 | 0.084 | 0.2 | 汎用(普通な感じ) |
26 | 0.4049 | 0.134 | 0.12 | 汎用 |
28 | 0.3211 | 0.213 | 0.08 | 信号(結構細い) |
30 | 0.2546 | 0.339 | 0.05 | 信号(かなり細い) |
ダマされないケーブル選び
突然ですが、リード線は品質の良いものを選んでいますか?
特に被覆が無駄に分厚くて芯線が細いリード線が蔓延しています。中国製に多いみたいですが、芯線を少なくした方がコストが安くつくので被覆でごまかしているんですね。
耐圧が高いョ!なんて言い訳にダマされてはいけません。そんな細い線で300V耐圧相当の被覆が必要なケースなんてそうありませんから。
また、AWG規格はあくまでも導体のサイズに対する規格です。つまり、同じAWG値でも、細くてまとまりやすい線もあれば、やたら太くてかさばる線もあります。
一方、ケーブルの耐圧についてはUL規格のスタイルNoで表されている事が多く、販売されているケーブルのパッケージには、例えば次のように記載されています。
・UL1007 AWG24 …耐圧300VのAWG24 ← ラジオの工作には太すぎて萎えます
・UL3265 AWG24 …耐圧150VのAWG24 ← 電池ボックスからの配線などに最適
電子工作では数十ボルト程度の耐圧があれば十分なケースが多いのですが、耐圧100Vを下回るような薄い被覆は強度の問題が出てくるため、あまり見かけません。
でも、必要以上に太い配線を買ってしまわないように注意が必要です。耐圧が同じならば、かさばらない方が良いに決まっていますからね。
UL3265 AWG24 2m 耐熱線 電子工作でおなじみ協和ハーモネットの耐熱リード線。被覆は薄めなのでオススメです。AWG20~AWG28まで各種各色あり。 |
なお、一般にコネクタのケーブルには単芯線は使いません。必ずヨリ線を使います。
圧着に必要な工具
コネクタのメーカーから専用の圧着工具が出ている場合もありますが、そんなものコネクタ毎に買い揃えているわけにもいかないので、普通は万能圧着ペンチを使います。
ただし、万能とはいっても圧着できるコネクタには範囲があるので、自分がよく使う予定のコネクタに合わせて選ぶか、逆に工具に合ったコネクタを選ぶことになります。
電子工作では ENGINEER の圧着工具がよく知られています。
精密圧着ペンチ PA-09 小型コネクタ向けの圧着ペンチです。ダイスのサイズは1.0mm~1.9mmで、PH、EH、XH、QIコネクタ等が圧着可能です。 |
精密圧着ペンチ PA-20 中型~大型コネクタ向けの圧着ペンチです。ダイスのサイズは1.6mm~2.3mmで、EH、XH、QI、VHコネクタ等が圧着可能。 |
精密圧着ペンチ PA-21 中型~大型コネクタ向けの圧着ペンチです。ダイスのサイズは1.6mm~2.3mmで、EH、XH、QI、VHコネクタ等が圧着可能。 |
当方では三種類とも持っていますが、PA-09を使う機会が一番多いです。
PA-20とPA-21はダイスの形が微妙に違っていて、得意なコネクタが異なります。
端子-工具対応表_閲覧用
※エンジニアのサイトに以前あった端子適合表や圧着工具検索は無くなった模様です。
その他、ワイヤストリッパーも用意しましょう。被覆がスパッと綺麗に剥けていないと芯線部に巻き込んでしまって抵抗が増えたり、導通不良になってしまうからです。
ワイヤーストリッパー 電子工作に十分な範囲のリード線サイズ(AWG30~AWG18)に対応しています。小型、オーソドックスで使いやすいです。 |
てか、これはコネクタの自作派でなくとも電子工作には必要ですね。
ラチェット式の圧着工具
上でご紹介している PA-09などは、開いた時にワニ口の様に開きます。それに対して、垂直方向に開くラチェット機構による圧着工具もあります。
圧着ペンチ IWS-3220M 日圧(JST)用と書かれていますが、公式でも専用でもなく汎用なので、Molexなど他のメーカのも圧着できます。 |
これは、上下から圧をかけるような形になっていて、少ない力で圧着でき、芯線バレルと被覆バレルを同時に圧着することができます。
ただ、扱いが少し難しく慣れるまでは失敗率が高いことと、最適な被覆と芯線の組み合わせが決まっているため自由度が低いこと、工具のサイズが大きくやや重たいといった点で不利になります。
圧着の量が多くルーティン的な作業では、こちらの方が向いているかも知れませんが、個人的には電子工作用途ではワニ口タイプの方がオススメです。
コネクタ圧着方法
簡単な単純作業なので初心者でも大丈夫。数をこなすのは面倒ですが、たくさんの配線を直付けしてエラい目にあうよりマシってもんです。
以下は、PHコネクタとAWG24のリード線を、PA-09を使って圧着する例です。
まずは、使用するコネクタのコンタクトピンとケーブルに合わせて、使用するダイスのサイズを確認します。圧着工具検索
どのコネクタでも圧着するポイントは2箇所あります。中央の部分は芯線を圧着する芯線部、外側の方は被覆ごと締め付けてリード線を固定する被覆部です。
芯線バレル、被覆バレルとも呼ばれます。
先の圧着検索では、PHコネクタのコンタクトピン(BPH-002T-P0.5S)の場合、芯線部は1mm、被覆部は1.4mmのダイスを使うと指示されているのですが、小さすぎてうまくいかないのでワンサイズ大きいダイスを使います(メーカーの誤り?)
被覆を2~3mm程剥いたリード線を挿入して芯線を圧着します。
芯線は強く圧着します。弱いとスポッと抜ける事があります。芯線部に被覆を巻き込まないように注意しましょう。
実は、この被覆の巻き込みが一番怖いんです。見た目は問題ないのに、通電していない現象に見舞われてしまいます。
必要に応じて被覆部の開き具合を調整します。閉じすぎるとうまく行きません。
リード線を固定します。
被覆部は力を入れすぎると被覆が破れてちぎれやすくなってしまうので、軽く握る程度にしておくのがコツです。
慣れるまでは、しっかり接続されているか引っ張ってみて確認するようにしましょう。見た目は大丈夫でもスポッと抜けることがあります。
後はハウジングに挿入して「カチッ」とする感覚があれば大丈夫です。
ラチェット式での圧着方法
基本的にはワニ口タイプと同じなんですが、ピンをダイスにセットする位置と、被覆を剥いた導線を差し込む最適長(位置)がわかりにくく、ややシビアです。
IWS-3220Mを使った例です。まず、ダイスを選択します。PHコネクタとAWG24の場合、1.6mmが成功しやすいです。
ダイスにコンタクトピンをセットします。
ダイスは、芯線用と被覆用に分かれています。ピンの各バレルもそれぞれに合う位置にセットする必要があります。
リード線を挿入します。奥の方が見えないのでどこまで入れたらいいのかが分かりにくいのですが、芯線用と被覆用のダイスの段差の所までリード線の被覆の部分を挿入する感じです。
握ります。ラチェットが効くので力を緩めても元には戻りません。そのまま力を入れて握っていくと小さな音がしてラチェットが外れ、元に戻せるようになります。
一定の位置まで握らないとラチェットが外れないようになっているので、圧着力という点ではバラツキが少なく、抜けにくいと思います。
しかし、逆に弱く締めるということができないので、太い被覆のリード線だと締めすぎになってしまいます。
全てのラチェット式ペンチで同じとは限りませんが、汎用である以上、芯線と被覆を同時に圧着できるということは、裏を返せば適合範囲が狭く、許容内の組み合わせじゃないとうまく圧着できなかったり、成功率が低くなります。
コネクタピンの外し方
あ!間違えた!!・・・でも大丈夫です。
コネクタのコンタクトピンには「返し」が付いているので、一度ハウジングに挿入すると引っ張っても抜くことはできませんが、キリや精密マイナスドライバーなど、先の細い工具を使ってツメをめくってやると簡単に抜くことができます。
あるいは、次のようなピン抜き工具を使うと、もっと簡単に外せます。
コネクター外し工具11点セット 住友電装のカプラ・コネクタ外し工具セット。車載系のサイズが中心ですが工夫次第で小型のコネクタでも使えます。 |
この手のコネクタ外しツールは同じようなものが多くありますが、このページで紹介しているような基板用の小型コネクタでは、一般に想定通りの使い方はできません。
ハウジング側の穴から挿入して「返し」を押さえて抜くわけですが、多くの基板用コネクタでは穴が小さく「返し」に到達しない構造になっているためです。
しかし、次のような感じで、使い方次第で抜くことができます。
PHコネクタからピンを外そうとしています。EHやXHなどでも同じです。
一番小さい工具を使います。
このように、ハウジングの反対側から真っ直ぐに挿入して、ハウジング側の爪を押し上げてやります。その状態で配線を同時に引っ張ると抜けます。ちょっとコツが要ります。
※写真では少し大げさにめくって見せています。
2番めに小さいU字型の工具を使います。
このように挿入すると「返し」を押さえることができるので抜き取れます。
想定通りの使い方ではないので、スッパスッパホイホイ抜けるわけではありませんが、ピンセット等でコジッてやるよりかはマシになります。
次に、コネクタ自体を抜きます。手でケーブルを引っ張って抜こうとすると、特にピン数の少ない細い配線のコネクタでは断線の恐れがあります。コネクタを抜く工具を使うと、そういったこともなくなります。
PHコネクタを抜いています。配線を引っ張らないので断線の心配もなく安心です。
コネクタには複数の導線がつながっています。1本だけ断線したからって1本だけ補修すればOKというわけでもないですよね。そこだけ線が短くなってしまって気持ち悪いし、力も集中するので再び断線しやすくもなります。
基板コネクター抜き SS-10 基板実装の嵌合型コネクターをスムーズに挿抜できる基板コネクター抜き工具です。手頃なサイズで手に馴染みます。 |
自作コネクタの使用例
自作コネクタを使った製作例です。
VHコネクタ(サイド型)を使用している例。
電流容量の大きい電源ラインで使ってます。
PHコネクタを使っています。
自作のデジタルアンプなんですが、これらをコネクタ無しで配線するのはもう大変です。
AWG28のフラットケーブルに、10ピンPHコネクタを取り付けた例です。
抜けやすいコネクタなんですが、逆にそれを利用して簡単に抜き差したい場合に使えます。
シールド線のコネクタ化です。
網線は導線1本をはんだ付けして出します。
主にEHコネクタ、場所によってはPHコネクタを使っています。
コネクタの入手先
最近では、amazonでも多く見られるようになってきました。日圧のものに限らず他のメーカーのものも探してみてください。きっと満足するコネクタが自作できると思います。
JST XHコネクタセット 2~6ピンまでのXHコネクタの部品がセットで460個入っています。JSTの正規品ではなく互換品ですが人気です。 |
JST PHコネクタセット 2~5ピンまでのPHコネクタの部品がセットで230個入っています。こちらもJSTの正規品ではなく互換品です。 |
QI(2550)コネクタセット オス側とメス側のハウジングとコンタクトピンのセットが入っています。対基板で使うには別途ピンヘッダが必要です。 |
2ピンPHコネクタ配線 このようなケーブル付きのものもあります。これはオスとメスがセットになっているので圧着の手間なく基板と配線できます。 |
JST XHコネクタ配線 XHの配線付きのコネクタ(メス)です。いくつかラインナップが選べますが、バッテリーとの接続が想定されているようです。 |
パーツショップとかだと、細かい個数でバラ売りしている所も多いです。また、それなりの価格ですが、正規品のコネクタも手に入ります。
秋月電子通商
最近PH、XH、VHの各コネクタが取り揃えられました。一番安い点はさすがです。
RSオンライン
コネクタの場合、多くのショップでは2ピンや3ピンなど、売れ筋しか置いてない場合も多いですが、こちらではそれ以外のラインナップも揃いやすいです。
共立エレショップ
1個から買えます。電子工作に手頃な品揃えですね。
マルツオンライン
最近仕入れた物は普通ですが、昔仕入れた品種はバカ高いので要注意です。
モノタロー
品揃え豊富で10個単位からの販売です。