スルピンキットの使い方!チップ裏のパッドもハンダ付け

スルピンキットの使い方

サンハヤトのスルピンキットを使うと、スゴイ?回路が作れます!?

にもかかわらず、スルピンキットの活用例を見かけることはあまりありません。当記事では、スルピンキットの使い方や応用例をご紹介します。

スルピンキットの使いドコロ

スルピンキットは、両面基板を自作する際に、自分でスルーホール一つ一つマウントしていくためのツールなんですが、結構手間がかかるので沢山のスルーホールをマウントするのは結構疲れます。

しかし、スルピンキットを使うことで出来るようになることがあります。

エクスポーズドパットをハンダ付けできる!

コレ使いたい~~!とか思うような最近のチップの多くは、裏面にエクスポーズドパッドと呼ばれるパッドが付いています。そして、データシートではこれをグランドにハンダ付けするように指示されていますね。

エクスポーズドパッドは、例えばデジタルアンプだと放熱のためだったり、高周波用途では対グランドへのインピーダンスを下げるためにあるんですが、指示通りにグランドにハンダ付けしないと性能を引き出すことができません。

エクスポーズドパッド基板の自作派でも、そのハンダ付けには手が出ないということで、お目当てのチップを断念した方も多いのではないでしょうか。

そこでスルピンキットの出番です。チップの底面位置にスルーホールをマウントすると、グランドへのハンダ付けができるんです。

グランドプレーンへの接続専用で使うと超高周波回路が組める!

数百MHzからGHzオーダーの高周波回路となると、両面基板の片方はグランドプレーン専用にするのはもはや当たり前です。

そんな時はスルピンキットでグランド接続用のスルーホールを打ちます。つまり、部品のリード線を挿入する穴ではなくて、グランドプレーンへの接続目的で使うわけです。

スルピンキットの内容

スルピンキットには、消耗品含め6点のアイテムが収容されています。

サンハヤト スルピンキット BBR-5208スルピンキット BBR-5208
0.8mm用のスルピンキット。6つのアイテムがセットになっています。スルーホールピンやドリルビットの消耗品も別売あります。

スルピンキット内容上が、ノックペン式インサーターとスルーホールピン。

下はオートポンチ。グッと押すと「パチンッ」となって打ち付けを行ってくれるアイテムで、ハンマーでトントンやらなくても良いようになってます。

スルーホールピンインサーターインサーターの原理はシャープペンシルそのもので、押すたびにピンが出てきます。

スルーホールピンにはこのように切れ目が入っていて、中空ではなく中がハンダで埋められています。

スルピンキットのプレス台座プレス台座は基板の下に敷いて使う金属プレートで、クレジットカードくらいの大きさです。

収納ケースのフタの裏側にはマグネットシートが貼り付けてあるので、そこにくっつける形で収納します。

なお、上の写真の基板は厚さ1mmの基板で使えるかどうかを試すために、余った部分で作った基板です。結果、1mmの厚さでは使えませんでした。
そもそも、サンハヤトの両面感光基板は、厚さ1.6mmのものしか出ていませんね。

付属のドリルビット0.8mm用のスルピンキットに付属のドリルビットは、直径0.85mmになっています。0.8mmのビットで開けた穴では、少々キツくてきれいに仕上がりません。形は半月型です。

このサイズはあまり売られてませんが、別売もされているので安心です。最初に0.8mmで開けてから付属のビットで仕上げるのも良いんですが、ちょっと手間かかりますね。

あと、実装済み基板でオートポンチを使う時のために金属製の支柱も付いていますが、こちらは普通は使わないでしょう。

というわけで、マニュアルには書かれていません?が次の点に注意が必要です。

基板は1.6mmの厚さのみ使える
使用するドリルビットの径は、ピンの直径より少しだけ大きいものを使う

スルピンキットの使用例

使い方については、付属のマニュアルと同じ内容がサンハヤトのサイトにもあります。
スルピンキット BBR-5208

同じことをそのまま書いても仕方がないのでポイントを書きます。

スルーホールピンを挿入したところスルーホールピンを挿入したところ。
ピンは基板の厚さ(1.6mm)より長いので、このように折り目が見えているくらいの位置で左右に倒してピンを折ります。

ここで押し込みすぎるときれいに折れなくなるので要注意です。

スルーホールピンを折ったところスルーホールピンを折ったところ。
中にハンダが入っています。

オートポンチで打ち付けたところオートポンチで打ち付けを行ったところ。

オートポンチは垂直にして打ち付けます。斜めになっていると、基板に当たってキズが付きます。まあ、見た目だけの問題ですが。。

打ち付けした後の裏側打ち付けしたときの裏側の様子です。

裏側の方がキレイになりますので、エクスポーズドパッドに当たる面はこの裏側になるようにすると良いです。

表側にハンダを盛ったところハンダを流して、ハンダ吸取器で余分なハンダを吸い取ったところ。見た目にキレイに仕上がるかどうかは、多分この吸い取り作業で決まると思います。

なお、エクスポーズドパッドのハンダ付けや、グランドプレーンへ接続する場合は、この吸い取り作業は不要です。

裏側にハンダを盛ったところ裏側のハンダ処理の様子。

当方の場合ですと、裏面(グランドプレーン)への接続が目的なので、吸い取って穴を開けて使うことはほとんどないです。

今回の例では、ランド部分ではなく一面銅箔の部分にスルーホールをマウントしました。
実はランドの場合より、この一面銅箔の部分に措置する方がコテの熱が拡散してしまうので、キレイに仕上げるのが難しくなります。

グランドプレーンへ接続する場合は、そこだけランド化する方法もありますが、一面銅箔の部分に接続する方が表裏のパターンのズレを気にしなくて済みますし、インピーダンスも低くなります。そして、エクスポーズドパッド面にハンダを流し込むためには十分に加熱しなければなりません。

しかし、普通の30Wのコテだと役不足でハンダ不良になりがちなので、次のようなコテを使って高いワット数で作業することをオススメします。

goot 即熱はんだこて ストレート型 TQ-95即熱はんだこて
普段は30W、ボタンを押している間は90Wになる超便利なハンダゴテ。グランドプレーンのハンダ付けも余裕。耐熱キャップも良。

ハンダ吸取器はケチるべからず

スルーホールの穴あけで使うハンダ吸取器ですが、ここで一つ、大変な思いをしなければ身にしみない重要なポイントがあります。それは作業効率。

ハンダ吸取器には大きく4つのタイプがありますが、数個程度ならともかく、多くのスルーホールを開ける場合、オススメできるのは自動で吸い上げるタイプ一択になります。他のタイプだと「またやろう!」という気も失せるというものです。

自動タイプは少々値が張るので気が引けますが、普通の作業でも圧倒的に便利なので、今後も電子工作でハンダゴテを握るなら、無理してでも手に入れておいた方が良いです。

goot 自動はんだ吸取器 TP-100自動はんだ吸取器 TP-100
自動タイプの中でも安い部類に入ります。コンパクトで使いやすくオススメ。コテ台付きのキャリングケースも嬉しいです。

ちなみに、他には次のようなものがありますが・・・沢山のスルーホールを相手にするにはちょっとアレですね。

goot はんだ吸取り線 CP-2015はんだ吸取り線
どこのパーツ店にもあるgootのハンダ吸取り線。線幅には1.5~3.5mmの種類がありますが、この2.0mmを一番良く使います。
goot はんだ吸取器 GS-108はんだ吸取器 GS-108
gootのベーシックなハンダ吸取器。セルフクリーニングシャフトで、吸い取ったハンダが出てくるのが特徴です。
サンハヤト はんだシュッ太郎NEO 45Wタイプ HSK-300はんだシュッ太郎NEO
普通のものに比べると作業効率は良いのは確かなんですが、温度が高いので基板を痛めやすく、精密基板は難しい感じです。

スルピンキットを有効活用して、今まで手が出せなかった回路に挑戦してみてはいかがでしょうか。

サンハヤト スルピンキット BBR-5208スルピンキット BBR-5208
0.8mm用のスルピンキット。6つのアイテムがセットになっています。スルーホールピンやドリルビットの消耗品も別売あります。