電子工作でよく使う各種計算ツールです。
多くは入力と同時に自動的に計算して即時表示しますので、簡単に使えます。
回路設計などにお役立てください。※不定期で追加・改善等を行っております。
抵抗関連
抵抗の並列回路の計算
⇔
抵抗の直列回路の計算
⇔
抵抗の分圧回路の計算
出力電流を考慮に入れた計算ができます。バイアス電圧を作るときなどに。
ラインナップを指定する場合は、入力後Enterを押すかフォーカスアウトしてください。
この回路の計算は、負荷を考慮しない場合は簡単ですが、考慮に入れると結構ややこしくなりますので「テブナンの定理」を応用して求めます。
抵抗に流しておくアイドル電流(IR)は、多いほどノイズや負荷変動に対して安定になります。負荷変動がある場合は、一般に出力電流の10倍以上の電流を流しておきます。
DC負荷の場合は、R2と並列にコンデンサを入れるのも有効です。
抵抗の消費電力の計算
V → W
※単位:Ω k:キロ/m:メガ V: m:ミリ
A → W
※単位:Ω k:キロ/m:メガ A: m:ミリ
コンデンサ関連
コンデンサの並列回路の計算
⇔
コンデンサの直列回路の計算
⇔
コンデンサのリアクタンスの計算
Hz → Ω
※単位:μF p:ピコ/n:ナノ Hz: k:キロ/m:メガ
コイル関連
コイルの並列回路の計算
⇔
コイルの直列回路の計算
⇔
コイルのリアクタンスの計算
Hz → Ω
※単位:mH n:ナノ/u:マイクロ Hz: k:キロ/m:メガ
LPF回路の計算
- CR 1次ローパスフィルタの計算
- LR 1次ローパスフィルタの計算
- LCR 2次ローパスフィルタ①の計算
- LCR 2次ローパスフィルタ②の計算
- LCR 2次ローパスフィルタ③の計算
- CR 1次ローパスアクティブフィルタの計算
CR 1次ローパスフィルタの計算
最も一般的なパッシブフィルタ回路ですが、直列抵抗Rが高いと入出力先のインピーダンスの影響を受けやすくなるので注意が必要です。入力側の出力インピーダンスは低く、出力側の入力インピーダンスは高いのが理想です。
※R:Ω k:キロ/m:メガ C:μF p:ピコ/n:ナノ F:Hz k:キロ/m:メガ
LR 1次ローパスフィルタの計算
直列抵抗を小さくできる回路です。ただ、DC成分がのっている経路ではRを通して直流成分がGNDへ流れるため、一定の電力を消費します。電流の多い回路などで有用です。
※R:Ω k:キロ/m:メガ L:mH n:ナノ/u:マイクロ F:Hz k:キロ/m:メガ
LCR 2次ローパスフィルタ①の計算
比較的良く用いられますが、直列抵抗Rにより電力の消費があったり、入出力先のインピーダンスの影響を受けやすいので注意が必要です。入力側の出力インピーダンスは低く、出力側の入力インピーダンスは高いのが理想です。
LCR 2次ローパスフィルタ②の計算
直列抵抗を小さくすることができる回路です。但し、DC成分がのっている経路ではRを通して直流成分がGNDへ流れるため、一定の電力を消費します。電流が多く流れるラインや、後の回路のインピーダンスが低い場合に有用です。
LCR 2次ローパスフィルタ③の計算
直列抵抗を小さくすることができ、かつ直流成分がGNDに流れることがないのが特徴です。但しこの回路では、Qは必ず1より大きくなり、Qが低いと1次フィルタの特性に近づくため注意が必要です。電源の出力フィルタとして有用な場合があります。
CR 1次ローパスアクティブフィルタの計算
オペアンプの反転増幅回路を用いた基本的なアクティブフィルタです。アクティブ化することで入出力先のインピーダンスの影響を受けなくなるので安定性が向上し、設計通りの性能を発揮しやすくなります。R1=R2とし増幅度「1」のバッファとして、また、1以上のゲインを設定することでフィルタ付きの増幅回路としても利用できます。
欠点としては、オペアンプの性能に依存して周波数特性が落ちたり、ノイズや歪が追加される可能性があります。
反転増幅回路の異常発振防止のためにCを挿入した結果この回路になり、その場合は位相補償という意味合いが強くなりますが、もちろん動作としては同じです。
R1はカットオフ周波数に影響しませんが、R2/R1により通過域のゲインを決定します。
⇒オペアンプ回路:反転増幅回路の計算
※ゲイン(Y軸左側)は、R2/R1で決まるゲインからの相対値になります。
※R:Ω k:キロ/m:メガ C:μF p:ピコ/n:ナノ F:Hz k:キロ/m:メガ
HPF回路の計算
- CR 1次ハイパスフィルタの計算
- LR 1次ハイパスフィルタの計算
- LCR 2次ハイパスフィルタ①の計算
- LCR 2次ハイパスフィルタ②の計算
- LCR 2次ハイパスフィルタ③の計算
- CR 1次ハイパスアクティブフィルタの計算
CR 1次HPFの計算
直列抵抗がなく接地できることもあって、増幅回路の入力などで一般的に用いられます。出力先の入力インピーダンスが低い場合には注意が必要です。
※R:Ω k:キロ/m:メガ C:μF p:ピコ/n:ナノ F:Hz k:キロ/m:メガ
LR 1次HPFの計算
DC成分がのっている経路ではRを通して直流成分がGNDへ流れるため、一定の電力を消費します。高周波回路などで有用です。
※R:Ω k:キロ/m:メガ L:mH n:ナノ/u:マイクロ F:Hz k:キロ/m:メガ
LCR 2次ハイパスフィルタ①の計算
基本となる一般的な回路ですが、直列抵抗Rが高いと入出力先のインピーダンスの影響を受けやすくなるので注意が必要です。入力側の出力インピーダンスは低く、出力側の入力インピーダンスは高いのが理想です。
LCR 2次ハイパスフィルタ②の計算
直列抵抗を小さくすることができるので有用な回路です。ただ、GND間とのインピーダンスが低くなりすぎないように注意が必要です。
LCR 2次ハイパスフィルタ③の計算
直列抵抗を小さくすることができる回路です。但し、DC成分がのっている経路ではRを通して直流成分がGNDへ流れるため、一定の電力を消費します。また、この回路では、Qは必ず1より大きくなり、Qが低いと1次フィルタの特性に近づくため注意が必要です。
CR 1次ハイパスアクティブフィルタの計算
オペアンプの反転増幅回路を用いた基本的なアクティブフィルタです。アクティブ化することで入出力先のインピーダンスの影響を受けなくなるので安定性が向上し、設計通りの性能を発揮しやすくなります。R1=R2とし増幅度「1」のバッファとして、また、1以上のゲインを設定することでフィルタ付きの増幅回路としても利用できます。
欠点としては、オペアンプの性能に依存して周波数特性が落ちたり、ノイズや歪が追加される可能性があります。
R2はカットオフ周波数に影響しませんが、R2/R1により通過域のゲインを決定します。
⇒オペアンプ回路:反転増幅回路の計算
※ゲイン(Y軸左側)は、R2/R1で決まるゲインからの相対値になります。
※R:Ω k:キロ/m:メガ C:μF p:ピコ/n:ナノ F:Hz k:キロ/m:メガ
BPF/共振回路
LCR バンドパスフィルタの計算
高周波回路などでもよく利用されるフィルタですが、両サイドが落ちるためカットオフ周波数の精度に気をつける必要があります。入出力先のLC成分にも要注意です。
共振回路の計算
LC共振回路には並列と直列がありますが、共振周波数の計算は両方とも同じです。
Rは実際の回路に存在する抵抗や接続する負荷を表しますが、共振周波数には関係せずQ(共振の強さのようなもの)に影響します。例えば、AMラジオの同調回路周辺を工夫してQを上げると、受信放送波の選択度が上がります。
とりあえず共振周波数だけを知りたい場合は、RやQは無視してください。
※C:μF p:ピコ/n:ナノ L:mH n:ナノ/u:マイクロ R:Ω k:キロ/m:メガ
F:Hz g:ギガ/k:キロ/m:メガ
トランジスタ回路
トランジスタ回路の基本設計をサポートします。最後に入力した項目に従い、各値を自動再計算して表示するので、バイアス抵抗の決定や各部の調整がとても楽になります。
回路はNPNで示していますが、PNPの場合は電圧と電流の極性が逆になるだけです。
トランジスタのVbeは、通常0.6Vで扱われますが、電流Ic(Ib)や品種によって0.7Vを超えることは普通にありますので、注意が必要です。
品種 | hFE | Vbe(IC=1mA) |
---|---|---|
2SC1815-Y | 120~240 | 0.61V |
2SC1815-GR | 200~400 | 0.6V |
2SC1923-Y | 100~200 | 0.65V |
2SC945-K | 300~600 | 0.62V |
抵抗のラインナップを制限すると、必ずしも希望の電圧や電流を得られるとは限りません。その場合、入力を完了した時点で、入力値を自動的に補正し青字で表示します。
電流帰還バイアス回路の計算
最も実用的なバイアス回路です。部品が多く入力抵抗が低いデメリットがあります、安定度が高くトランジスタのhFEに影響されにくい(設計通りになりやすい)のも特徴です。
この回路では、多くの場合「Ib=0、Ic=Ie」と仮定し簡易化して考えますが、この計算ツールではIbも考慮に入れた計算を行いますので、一発で正確な答えが出ます。
ラインナップを指定する場合は、入力後Enterを押すかフォーカスアウトしてください。
Ib率はバイアス抵抗電流(Ir)に対するIbの比で、バイアス抵抗を決める時に使用します。大きいと安定度が悪くなり、小さいと無駄が多いことを示すため好ましくありません。
普通は10%程度にします。
Reは大きくするほど安定度や特性が向上しますが、反面、回路のゲインが下がります。逆に0Ωにすると、電流帰還ではなくなってしまいます。
この回路の中低周波域での入力インピーダンスとゲインを求める式は次の通りです。
Ce有りの場合、扱う周波数に対して十分大きな容量であり、インダクタンスは0Ωと仮定してインピーダンスとゲインを計算します。
エミッタフォロアの場合、コレクタ負荷(Ro)は0にします。Ceは接続されません。
自己バイアス回路の計算
コレクタの負荷が抵抗の場合に使える回路です。Rbを通して負帰還がかかるため、簡単ながら安定度が良く、特性も良いのが特徴です。ただ、この回路のゲインは、バイアス電流を決めるRbや入力元の出力抵抗にも依存するため、設定の自由度は低いです。
ラインナップを指定する場合は、入力後Enterを押すかフォーカスアウトしてください。
この回路の中低周波域でのゲインを求める式は次の通りで、裸のゲイン(A)と負帰還の深さにより決まります。
負帰還の深さは入力元の出力インピーダンス(Ri)に影響を受けるので注意が必要。インピーダンスが十分に低い相手に接続した場合は負帰還は掛からなくなります。(入力コンデンサによりDC帰還には影響しないのでDC安定度は変わらない)
また、高周波になると入力インピーダンスの低下、hFEの低下、Cobによるミラー効果など、様々な要因により実際のゲインは下がってきますので目安とします。
固定バイアス回路の計算
簡単で扱いやすい回路です。一般的には安定度が悪いとされる回路ですが、お気楽な電子工作用途、少電力回路で使う限り、さほど困ることはありません。しかし、hEFのバラツキによるIcのバラツキも大きいため、工業利用や安定を求めたい場合には不向きです。
ラインナップを指定する場合は、入力後Enterを押すかフォーカスアウトしてください。
この回路の中低周波域でのゲインを求める式は次の通りです。
高周波になると、入力インピーダンスの低下、hFEの低下、Cobによるミラー効果など、様々な要因により実際のゲインは下がってきますので目安とします。
オペアンプ回路
オペアンプ増幅回路の基本設計をサポートします。
計算はオープンループゲインAが無限大の理想オペアンプを前提としていますが、実際のオペアンプでは普通10000倍(80dB)くらいのゲインがありますので問題ありません。
抵抗のラインナップを制限すると、必ずしも希望の電圧や電流を得られるとは限りません。その場合、入力を完了した時点で、入力値を自動的に補正し青字で表示します。
反転増幅回路の計算
最後に入力した2つの項目から、残りの項目を自動再計算して表示します。
ラインナップを指定する場合は、入力後Enterを押すかフォーカスアウトしてください。
発振防止のために、少容量の位相補償コンデンサCをR2に並列接続することがあります。このCの計算は、CR 1次ローパスアクティブフィルタの計算で計算できます。
ゲイン計算候補:
※R=k:キロ/m:メガ
非反転増幅回路の計算
最後に入力した2つの項目から、残りの項目を自動再計算して表示します。
ラインナップを指定する場合は、入力後Enterを押すかフォーカスアウトしてください。
この回路では、ゲインは1より大きくなります。
ゲイン計算候補:
※R=k:キロ/m:メガ
アンプ設計の計算
アナログアンプの設計時に行う基本計算を行います。想定する入出力レベルから必要なゲインを求めたり、出力電圧や電流から用意すべき電源の検討などができます。
AMラジオなどに組み込むミニパワーアンプも大出力アンプも基本は同じです。
全てを入力する必要はありません。最後に入力した2つの項目から全てが計算されます。
※V,I=m:ミリ/u:マイクロ Po=m:ミリ
単位変換など
AM変調率と信号レベルの計算
AM変調率と信号レベルを計算します。最後に入力した2つの項目から、残りの項目を自動再計算して表示します。
周波数⇔周期 の相互変換
周波数(F)と、1周期(S)の相互変換を行います。
周波数⇔波長 の相互変換
周波数(F)と、波長(λ)の相互変換を行います。
倍率⇔デシベル の相互変換
倍率と、デシベル(dB)の相互変換を行います。デシベルは電圧比を表す場合と電力比を表す場合がありますが、電子工作でよく使う利得やゲインは、通常電圧比になります。
Vrms⇔Vp-p の相互変換
信号レベルの実効値(RMS)と、Peak to Peak(P-P)の相互変換を行います。
メートル⇔インチ の相互変換
電子工作では、主に機構設計や基板のパターン設計時に必要になることがあります。
Gain:
おすすめ計算ツール
とても便利で貴重なWebベースの計算ツールをご紹介します。
insect
Webベースの関数電卓で、ポチポチと入力していけば計算できる。単位変換もできます。例えば「1V * 2mA -> W」と入力すると、0.002W と表示されます。フルドキュメントは https://github.com/sharkdp/insect にあるので、ざっと見てからどうぞ。
特に高周波回路の設計に重宝する計算ツールがたくさんあります。単位変換やインピーダンス、PLLループ、マイクロストリップライン、フィルタなどなど。
おなじみトランジスタ技術のサイトにある計算ツール。シンプルですがとても沢山の計算ツールがあります。回路図のテイストが雑誌で見るものと同じです。
基本的な計算ツールが揃っています。
ユーティリティ : V RMS / dBm / dBu / dBV 計算ツール
電力や電圧の単位の変換ユーティリティー。高周波電力計算に重宝します。
ANALOG DEVICESのアクティブフィルタ設計ツール。回路の提案だけでなく、インピーダンスやノイズなどのフィルタの諸特性までもグラフなどで示してくれます。ただし、アナデバのオペアンプに限られます。
コイルの自作や、ループアンテナの製作にも使えます。ちょっと分かりにくいですが、プルダウンメニューがあってアンテナの設計に役立ついくつかの計算ツールが選択できます。
Digital Filter Design Services
デジタルフィルタ設計ツール。FIRフィルタやIIRフィルタなどの計算ができます。